優れた工具を製造しているメイカーは世界各地にある。 KTC、KOWA、ベツツァー、ハイコ、バーコ、ファコム、PB、BETA、スナップ・オン、プロト等々、挙げていくときりがないのでこのくらいにしておくけれども、 たとえばスナップ・オンなど効果ではあるが、メッキが剥がれかけただけでも新品と交換してくれるという保障があったように思う。 そういう高級工具は、メカ好きの人には堪らない魅力で、いつかはフルセットと思っているに違いない。しかし、立ちはだかる値段の壁。 僕も実はスナップ・オンの工具セットを持っている。それは、'70年代後半からはじめたクラシック・モータサイクルのレイスを、続けるために必要だったからこれには他ならない。 他のメイカーの工具でもよかったのだ。あれば、の話だが。 というのも、日本では既にメトリックの工具が全盛。しかもインチサイズの工具といえば国際基準の製品はどこにでもあったのに、英国インチ工具は見つけることが難しい状態で、 国産のKTCやKOWAには見つからず、スナップ・オンならば未だ英国インチ工具の製造をしていることがわかった。 しかし普通の輸入品では、とてもじゃないが必要な分をそろえる予算など不可能に近い。幸い、数人の友人とアメリカらからまとめて個人輸入しようということになり、僕もそれに乗った。 おかげで、英国インチのコムビネイション・レンチとソケットのセットを格安で手に入れることができて、整備も可能となったのである。 現在では日本製や英国製の廉い英国インチ工具も手に入るようになった。今は昔の話だ。 |
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