一時期、それまで日本に無かったジャンルの乗り物が、いきなり大流行の兆しを見せて氾濫しかかったことがある。
もう10年余りも前になるだろうか、50ccのエンジンを搭載した車がいっせいに輸入されたり、国内でも製造を始めたりしたのである
原動機付き自転車ならぬ、原動機付き自動車は、日本の免許制度の盲点を突いて普及しそうになったのだった。
つまり、当時の道交法の解釈では、筆記試験のみで取得できる「原付き」免許で乗ることが可能だったのである。
ここで慌てた(おそらく)のは、免許を発行する公安委員会、もしくは違反を取り締まる(好意的に考えれば、道路での安全を確保する)警察であろう。
なにしろ、原付き免許で道路を50km/hで走れ、しかもヘルメット着用義務も無いのだ。 そこで彼らは急遽、法規を変えてしまった。 すでに原付自動車を所有している人に対しては限定免許とし、新たに所有する人は普通免許が無いと乗れないというものだ。 そして、画期的なシティコミュータになれるかもしれなかった原付き自動車は、そのまま廃れてしまったのである。 まあ、原付き自動車はもっと前からあって、イタリアではスクーターで有名なビアッジォ社も、ヴェスパカーを様々な排気量で作っていた。 急な変化に日本の法律を守らせる側が、ついて行くことを拒否するという横着をした結果とこれば言える。 最近、新しい自動車メイカーとなったミツオカ自動車が、色んな面白い試みを行っているが、そのひとつに今度発売された原付き自動車の組み立てキットがある。 これがまた、可愛いのだ。 |
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