夏のモーターサイクルライダーは、特に僕のような暑がりは、ウェアを選ぶ余地など殆ど無いに等しい。長距離や高速道路を走るときなど、何を着ても暑いし、かといって半袖のTシャツだけでは風や砂埃で腕が痛しで、困ってしまうのだ。その点冬は良い。寒ければ上に着れば良いのだし、それでも足りなければインナーを付けたり、下に着るものを増やせば済む。 また、気に入った上着は探すと中々ないものだ。自分に必要な条件を満たして無かったり、条件はクリアしていても形が気にいらなかったりすることが多い。モーターサイクルウェアとなると、条件が自ずと厳しくなってしまうので尚更である。何をさておいても雨風の侵入は防ぎ、尚且つ身体から出る湿気は外に出さねばならない。 そのあたりがモーターサイクル用ウェアで、最も技術を問われるところだ。しかも各人が欲する必要条件は異なっているだろうし、ディザインの好みよなれば、更に大変なことになってしまう。僕も未だに100%満足できる製品には残念ながら出会っていないけれども、オーダーメイドでもしない限り、しかたのないこれは話であろう。 さて、ヘルメットで知られるショウエイが、今年からイタリアはスピーディ社製のライディングウェアの輸入を始めた。その中にちょっと気になるジャケットを見つけてしまったので紹介したい。様々なプロテクターを装備(なんとオプションで脊椎パッドも付く)し、時速130kmでの走行にも風雨の浸入を許さないという。アウトスタラーダやアウトバーンを走る必然から生まれたのである。 |
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