以前、この頁で紹介したガーバーのマルティプライヤーを覚えていることと思う。丁度ガーバーのライヴァルにあたるナイフメイカーの、バックからも同じようなプライヤーが出ている。最近はけっこうあちこちで見かけるようになったので、ご存じの方も多かろう。 実のところ、このプライヤーをアメリカの通販で見つけた時からすぐにも紹介したかったのだが、なんとなく他に紹介したいものがありすぎてズルズルと遅れてしまった。その理由は、バックのプライヤーに対する僕の期待が大きすぎたためでもある。つまり、ある部分でこの製品の出来に、ほんの少しがっかりしてしまっていたせいだ。尤も、先行のレザーマンにせよガーバーにせよ、欠点が無いわけではない。 バックトゥールは後発だけ会って、面白いハンドルセットの方法を採用している。SOGの反転タイプを発展させたようなシステムで、二つのハンドルが反対方向にスウィングしてセットされる。 ハンドルをセットするとロックが掛かり、解除ボタンを押さない限り不用意に回転してしまうことは無い。そして、ハンドルの形状がとても掌に優しく、握り心地が良い。また、ハンドル内に納まっている様々な道具も、バック的な誠実さで作られていて好感が持てる。 但し、先に書いたように一つだけ気に入らない部分があるのだ。それは、プライヤーをセットして、ハンドルを強く握ったときの接続部分のガタ付きである。これさえ無ければ、トップランクに上げられるのにと思うのも僕だけではないはずだ。 |
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