フライ、と聞いてまず何を思い浮かべるだろうか。勿論「ハエ」の意味ではあるが、多くの方は西洋毛鉤のことだと考えるに違いない、それほどフライは一般的に知られるようになったし、実際にフライフィッシングに親しんでいる人も増えた。フィールドでの女性のフライフィッシャーがかなり目につくことでも人気の程がしれよう。 日本にも古来より、毛鉤を使った釣りはあり、同じように毛鉤もある。釣り方はフライフィッシングのようなリールは使わず、竿に結んだライン(馬素という)のみということ以外は殆ど同じと、これは言って良い。 フライである。羽虫や甲虫、水棲昆虫に魚と、様々なタイプのフライがあるのだが、ここでは紙面の関係で説明はまたの機会に譲る。 僕も下手ながらフライフィッシャーではある。自分でフライも巻く(フライは作ると言わず、その作業行程からだろうか、巻くという)。当然ながらそれは自分がフライを巧く巻けるからではない。フライは消耗品であり、市販品を一々買っていると、単純に経費が嵩むからにほかならない。 僕のフライはいたって簡単な出来である。鉤にグレイの糸を巻いてボディにし、ジンジャーハックルで仕上げをしただけなので、友人はテンカラフライと呼ぶ。 歴史もあり、優雅で美しい数々のサーモンフライなどとは対極にある、名付けて(名付けること自体がおこがましいが)カエルフライとでもしておこうか、僕のフライでも充分に魚と遊べる。シムプル・イズ・ベスト。勿論、負け惜しみである。 |
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