Goods Press Back Number
My Own Toy Box
連載49回
人間が食事で楽しいのは良い事だ。なにしろ、人間のこれは三大欲求の一つであるのだから。そのためには食べ物が旨くなくてはならないけれども、それ以外にも気に入った食器で食べるということも、より食事を旨くしてくれるのである。
皿などの器物は色々と選択肢があって、ピンからキリまで自分の都合に合わせて手に入れれば宜しい。ところが、ナイフやフォークそしてスプーンとなると、意外に選択肢に欠けるのだ。材質はステインレススティールだったり、スターリングシルヴァだったりと、値段に応じて色々とある。しかし形はといえば、意外にオーソドックスな製品が多く(ハンドル部に木やプラスティックを被せてあっても)、そうでない物は奇抜すぎて気に入らなかったりすることが殆どなのだ。
ところが、ドイツへ行くために初めてルフトハンザに乗ったときのことである。機内食が出て来て「これは」と思ったのが食器のディザインだった。まず見た目が良い。いや、これは「良い」というと異論がありそうなので、「好き」と言い換えておこう。ナイフ・フォーク・スプーン。どれをとっても僕の好きな形をしている。
ディザインはヴォルフ・カルナーゲルと、裏面に刻印がしてある。また、1988WMFという刻印もある。これは果たして、1988年に何かの賞をとったということなのか、製造メイカーを表しているのか不確かである。WMF以外に、MEPRAというのもあるし、他の年代もある。
このところ何年もルフトハンザには乗っていないけれども、未だこの食器だと嬉しい。
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