「デンスケ」って知ってるだろうか? 簡単に言ってしまえば、ポータブルテイプデコーダーである。放送局などで野外の生録音をするための、持ち運び用小型テイプレコーダーうぃ業界用語でデンスケというのだ。 デンスケという言葉は元々、縁日などで詰め将棋やルーレットをはじめとした街頭博打(伝助賭博という)で使われていた簡易移動台(テイブル?)のことを言うのだそうな。 国産ではソニーのデンスケがよく使われていて、ふるくは真空管式アムプ内臓のゼンマイ駆動モーターの製品から、最近ではディジタル録音のカセットテイプの物まで、多種多様である。 ディジタルの分野では日本製品が一歩抜きん出ている感があるが、アナログの製品をみた場合、少なくともオウプンリール使用のデンスケに関してはスイスの2機種、ナグラとステラヴォックスを抜きには語れない。どちらも規格は似たようなものだが、若干後者の方がコムパクトで軽くできている。 特徴としては、プロ用機器の必要条件ではあるが、故障しにくく安定した性能を維持できること。さらにメインテナンスが容易なことがあげられよう。あともうひとつ、実用的かつ素晴らしい特徴がある。それはオプションパーツを取り付けることによって、なんと10インチのオウプンリールを使用することができるのだ。素晴らしいではないか。 ナグラはスイスのクデルスキー社の製品で完全にプロのために作られた製品である。面白いことに、ナグラはⅢ型の頃にはソニーが輸出していたらしく(もしくは提携も結んでいたのかもしれない)正面のプレイトにはSONY-KUDELSKIとプリントされている。 またⅢ型はフルトラックモノラル機で、ⅣSは2トラックステレオ機だ。そしてナグラにはもうひとつ手のひらサイズのオウプンテイプレコーダーもあり、時々スパイ映画でも見ることができる。 |
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